平成19年5月18日北海道標津町での講演会。標津町は世界で初めて地域で取り組む地域HACCPを導入した地域です。昔から継承されてきた技術と高度な科学を応用した検証技術を融合させて食中毒対策をします。
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◆地域HACCPで取り組むノロウィルス対策

地域HACCPで取り組むノロウィルス対策

記録表のチェックなどの方法についても随時確認。整備された漁港から船は出港します。右端は水揚げされるほたて。

<講演内容要約>

食中毒対策は一年中必要!

食中毒の発生は、夏場を中心とした暖かい季節に、病原性細菌の汚染増殖が危害要因となり食中毒の発生へと繋がっていきます。ところが、ノロウイルスが食中毒の原因微生物に指定されると、その発生がむしろ冬場を中心として発生しているために食品加工に携わる我々にとって年間を通しての厳重な衛生管理対策が必要になってきました。こうした背景についてお話し、その対策について説明します。

 今回は魚介類のうち貝類、特に毎日収穫し加工しているホタテとの関連性について考えてみました。標津町では日本でも有数のホタテ水揚げを誇る町です。この町では豊かな海と山に恵まれ、天然のホタテを生産しています。グリコーゲンを沢山含み元気の素として全国各地へと供給されています。

ノロウイルスによる食中毒の事例は生カキで多く発生確認されています。二枚貝にはこれまでノロウイルスによる汚染の可能性が高いとしてこのシーズンに注意を喚起していました。このように、ノロウイルスというと何かと二枚貝がその注意すべき食材の対象に挙げられてきました。では、なぜ、二枚貝にその危険性があるのかを考えて見ます。

もともとノロウイルスは人間に寄生するものです。風邪をひくとこのウイルスに感染したと考えてください。ここで保菌者になります。でも健康な人もこうした環境の中ではノドなどに溜め込むことになります。ノドに溜まり小腸で条件が揃えば感染するということになります。それも人間にのみ感染し、増殖するということです。

人間に感染し、増殖したら排泄物(嘔吐物も含む)と一緒に排泄され、河川を通り海へと流れ込みます。そして、沿岸に棲息する魚介類に吸収されていくということです。大量に海水を吸収する貝類は汚染された海水を吸い込み、内臓にノロウイルスを蓄積することになります。やがては時間とともに死滅して行くのでしょうが、収穫され食卓に上がれば食べた人は感染するということになります。そして、発熱をともなった下痢、食中毒です。増えるのは人間の体内だけ、しかも不健康な免疫力の低下した人、特にお年寄りに多いのはこの免疫力低下が原因とされています。

結論です。風邪が流行った年は、その地域の河川にはノロウイルスが多いといわれています。ノロウイルス対策は健康な、綺麗な海を維持することにあります。それには健康な住民であることが条件になります。健康な住民、健康な人たちがノロウイルスから食品を守ることに繋がります。標津町地域HACCPは先ずこの健康の問題をクリアすることを前提にしていることを確認してください。健康な人だから健康な食品作りができるといつも言ってきました。

住民の健康が健全な食品づくりに不可欠!

健康診断の実施、検便の実施、毎日の健康チェックはこうした問題の発生を防止するのにとても有効な方法であると再度確認してください。

衛生的な作業服、帽子、長靴、前掛けの着用、手洗いと「うがい」の励行、マスクの着用など、毎日、記録に残しています。

ホタテは標津の海から水揚げされて加工場に持ち込まれます。ホタテ漁獲船、船員の健康チェック、船槽の清掃、温度管理はこうしたノロウイルスの汚染防止をも目的にして実施されています。ノロウイルスは内臓(ウロ)に蓄積の可能性があります。ですが、加工時に貝柱部分とその他の部分は分けられ、洗浄されて加工用原料とされます。内臓はボイルされて加工に回ります。ボイルされるとノロウイルスは死んでしまいます。貝殻をはずし選別はとても有効な汚染防止の手段ともなっています。

海水が蓄養池用水、洗浄用水として使われますが、海水への汚染がないように紫外線に殺菌を実施しています。紫外線殺菌は殺菌灯を使います。この管が汚れると紫外線殺菌は不十分に成ります。定期的に洗浄していつも十分な殺菌が出来るように管理しておかなければなりません。殺菌する手段は十分な効果が発揮できているかを定期的に確認します。これを検証といいます。

清掃、洗浄、殺菌の記録はありますか。

貝付きホタテの場合は蓄養をします。この海水が汚染されると問題発生の原因ともなります。海水の汚染度を定期的に確認します。簡易検査キットがありますので検討してください。海水は殺菌して使用します。大腸菌群の測定は汚染の指標としてきわめて有効な手段となります。

忘れていけないのが空調です。空調の周りに水滴、結露の発生はないかを厳重にチェックします。フィルターの清潔維持は必須条件です。空調から噴出すエアーの微生物検査は絶対に必要です。

整理整頓をして清掃を励行する

こうしてノロウイルス対策は立てていくと良いと思います。是非もう一度自社の加工場、加工室を確認してください。

以上ご説明しましたように、ホタテをノロウイルスから守る最も有効な手段はそこで暮らす地域住民が健康であるということです。健康な町は環境の保護から始まります。恵まれた海、山を大切にする。このことにより、健康をいただき、そして、ノロウイルスに汚染されない海、ホタテ・・魚介類を得ることにつながっていきます。生活の糧はこうした連鎖の中にあることを認識して欲しいと思っています。「手洗い」も重要ですが、自然の中の一員としているとしたら、大切にしなければならないものに気づかない結果が食中毒の、危害の原因を作り出しているのかもしれません。

地域HACCPの基本が間違っていないことを確認できます。ノロウイルス対策にきわめて有効な手段であったと確認ができました。

地域全体での対応がないとその海は汚染され、共通のホタテを汚染します。原因は人間が作っています。地域で取り組むことの大切さは地域HACCPの取り組みが必要であることを確認しました。


夏の食中毒対策

夏場になるともう一つの問題が腸炎ビブリオという食中毒細菌です。これも海水に棲息します。でも温度が19℃以上にならないと急激に増えることが出来ません。この対策はホタテの温度管理に有ります。製造日報の中に加工時間と品温、洗浄水の温度管理を義務付けているのはこの品温管理を意識しての設定です。

記録、管理表を今一度確認してください。これらの項目があることを確認してください。

腸炎ビブリオという食中毒の細菌は魚介類が原因物質のように言われますが、最初の食中毒発見はきゅうりの浅漬け、漬物だったということはあまりご存じないと思いますが・・・実はそうなんかですよ。

我々が知識を付けて、もっともっと勉強して知識を付けることが食中毒から食品を守り、我々の生活を守ることにもなります。地域でこれからも連携を取って、共通の問題として取り組んで行きましょう。

 ここ標津町では町全体で安全で安心できる食品作りに取り組んでいます。このシステムを「標津町地域HACCP」といっています。漁師は海を守り、市場は品質・鮮度を管理し、加工場においては、衛生的な環境の下で健康な従事者による加工がされて製品となります。この大切な製品を安全に、鮮度が低下しないように厳重に管理して輸送します。生産地から食卓まで姿がはっきりと分かる食品作りを地域の取り組みとして推進しています。

**講演会の依頼はフジタ企画0798-52-0773にお問い合わせください。

 

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